靴製作で革のパーツとパーツを繋ぎ合わせる時に、革の裏面から針を入れ、表面に貫通させることなく、再び裏面から針を出すという極めて熟達した縫製をスキンステッチといいます。手の感覚を頼りに縫い穴を開けなくてはならず手縫いでなければ出来ない高度な技術です。

このスキンステッチは装飾として施される事も多いのですが、装飾としてのスキンステッチに比べ、さらに難易度が高いのが“ライトアングルモカステッチ”です。U字の中と外の革を繋ぎ合わせるライトアングルモカステッチは、一つ一つの穴の大きさや位置がわずかでもずれると、釣り込みをする時にそこに負荷がかかり裂けてしまうため、高度な技術が求められます。

また、U字のステッチ部分は、釣り込む時に最も負荷がかかるため、機械で釣り込むことが出来ず、手作業で釣り込むハンドソーンウェルテッド製法で製靴をおこないます。この製法は完成するまでに非常に時間がかかり、高い技術が求められるため、ビスポークや最高級靴にしか散見できない製法です。

とくに、ライトアングルモカステッチは、高い技術力が必要となるため、高級靴ブランドでもアウトワーカーに頼ることが多く、自社で行うブランドは少数です。モカのサイズを選べ、カスタマイズ自由なU-TIP靴を作れるのは、自社工房で作るからこそ出来る数少ない靴ブランドなのです。

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